2011年6月6日月曜日

「ドカン!」と売上が上げるストーリーとは?

いつだったかは忘れましたが、僕はあるバラエティ番組を見ていて、「チクショー!これ、ぜったい売れちゃうじゃねーか。うらやましーぜ!」と嫉妬したことがあります。今はもう放映終了していますが、それは日テレの「魔女たちの22時」という番組で、ある発明をした女性が登場したときのことです。

ちなみに、ご存知ない方のために、「魔女たちの22時」という番組を簡単に説明すると、「30代にしか見えないのに実は50代・・・」「超モデル体型なのに3ヶ月前は超おデブちゃんだった・・・」「見た目はアゲハだけど、実は天才実業家・・・」など、驚きのギャップを持った人たちのストーリーを紹介するというバラエティ番組でした。

さて、話を戻しましょう。ある日、その「魔女たちの22時」にひとりの女性が登場しました。たしか、こんな紹介のされ方だったと思います。

「歯ブラシのおかげで1億円稼いだ魔女の登場です!」

画面の隅には、お世辞にも美人とは言えない昔の「メガネっ娘」写真が映っています。でもって、いよいよ本人のご登場となって、昔とはまるで別人になった美人が登場するわけです。ここまでは番組でいうところのツカミの部分です。本題は「では、なぜ彼女はそれほどまでの変身をしたのか?」ということなわけで、そこから番組は「実はその秘密は彼女の『ある発明』に隠されていた!」と進行していきます。

彼女は元アメリカのスポーツキャスター。当時は昔の「メガネっ娘」の延長で、アメリカ人キャスターと自分を比べて地味な容姿にコンプレックスを抱えながら悩んでいました。ところが、ある日ふとしたきっかけで、その地味な容姿を劇的に変身させる「魔法のアイテム」を思い付いたのです。

まぁ、結論からいうと、その「魔法のアイテム」の発明とは歯ブラシの形をヒントにした「マスカラ」なんですが、番組ではその開発までのストーリーがドラマ仕立てで紹介されていきました。ぶっちゃけ、僕はマスカラなんぞに興味もないし、その良し悪しもわからんので、その発明の何がスゴイのかはわかりませんでした。けれど、商品については何ひとつ分からなくても、ひとつだけ確信したことがありました。それが、冒頭の僕の嫉妬です。

「チクショー!これ、ぜったい売れちゃうじゃねーか。うらやましーぜ!」

なぜ僕はそう思ったのか?
それは、番組で紹介されたストーリーがまさに「ドカン!」と売れる典型的パターンだったからです。実際、このマスカラはこの番組がきっかけで大ブレイクし、なんと40万本以上も売れているそうです。

では、そのストーリーとは何か?
以下、その「マスカラ」(商品名:Fairy Drops)の販売サイトからの転載です。

--------------------------------------------------------------------------

世界特許マスカラ開発秘話


カリフォルニアの青空に向かって
どこまでも上がっている美しく濃いまつげ…。

「あ~、いいな。。。だからFOX SPORTS や ESPN SPORTS のテレビキャスターはアジア人より目が大きく映るんだ。。。」

アメリカ人の目が大きく見える理由の一つは、どこまでも上がっている濃いまつげ。これは目のたて幅を大きく見せてくれている。フェアリードロップス開発者は、毎回自分がテレビに映る度に他のアメリカ人キャスターと自分を比べ、自分の目の印象がとても薄いことに悩んだ。

“いったいどうしたらアメリカ人キャスターのように華やかなまなざしになれるのだろう?”

毎日悩んでいたそんなある日の朝。
なにげなく歯磨きをしていたら、、、ふと妖精がささやいた。

「この歯ブラシの形って優秀じゃなーい?」

おっ!これは!この歯ブラシの形って
歯と歯の間に入り込んで、奥の奥までかき出す!
もしかしてこれをマスカラブラシに応用すれば、まつげとまつげの間に入り込んで、しっかりと短い毛も長い毛もかき出し、持ち上げてくれるのかも!!

それから試行錯誤の毎日が続いた。
まず、マスカラブラシを何度も何度も自分流にカットして、とにかくどんなまつげも最もよくかき出し、力強く持ち上げてくれる形を研究した。また、まつげとまつげを束にしてまるでお人形のように濃くみせてくれる形も同時に模索した。

そして、やっと最後にたどりついたのが、、、
このお団子のような3つのボールの形である。

フェアリードロップス=妖精の涙型ブラシの誕生だった!
これを使ってテレビに出るようになったら、もう手放せなくなった。テレビ映りが明らかに良くなっている!あの毎回見ていて憧れだったアメリカ人キャスターのパッチリとした大きな目のように映っている自分の目。「テレビ映りは、まつげが命!」そう心の中でつぶやいた。

この実証済みの感動をみんなも味わってみて!
まずは試しにフェアリードロップマスカラを使って、写真写りを比べてね!!
きっと・・・あなたもそのパフォーマンスに感動して、手放せなくなるから!

--------------------------------------------------------------------------

要するに、番組ではこの開発秘話をドラマ仕立てで紹介していたわけです。

さて、「ドカン!」と売れるストーリーについてです。
実は、ストーリー形式のセールス文章を書くときに、絶対に欠かせない要素が2つあります。

1.エピソード
2.見込客に提供できる価値

要はこういうことです。

ストーリー形式のセールス文章では、自身の人柄を売り込みつつ、お店や商品のメリットを売り込むことが重要になります。それは、起業のきっかけだったり、商品開発の苦労話だったり、その結果、完成したお店や商品のこだわりだったりするわけですが、でも、いずれにしても、それらを書くときに注意しなければいけないことがあります。

それは何か?
「自分が書きたい事とお客様が読みたい事は違う!」という悲しい現実です。つまり、あなたが書きたいことではなくて、お客様が知りたいことを書かないといけないということです。さもないと、致命的なミスを犯してしまいます。

例えば、たまに保険代理店の小冊子で、「なぜ私はこの小冊子を書いたのか?」という部分を読むと、カンペキに「自分史」になっちゃってる方がいます。生まれてから、どうして、こうして、それから、ああなって、こうなって、その後紆余曲折がありまして、今こうして小冊子を書いております・・・みたいな文章です。

お分かりかと思いますが、これは売上にまったく貢献しないストーリーの典型的パターンです。

理由はカンタン。
文中で「見込客に提供できる価値」の部分が決定的に欠けているからです。正直、「自分史」だけを延々と語られても、読む方にしたらそんなことはどうだっていいし、「オレが、オレが」を連発されても1ミリも共感もイメージもできないのです。要するに、見込客の「で?」に答えていないわけです。

従って、ストーリー形式のセールス文章では、「エピソード」と「見込客に提供できる価値」は必ずセットで書かれていなければいけません。

では、どうやってその2つを書いていくのか?
変化を語るのです。ベタですが、マイナスからプラスに転じた「エピソード」を通じて、「見込客に提供できる価値」が生まれるまでのプロセスを語るわけです。そうすることで、見込客はストーリーを読みながら自分自身を投影させていきます。すなわち、

自分が望む未来(結果)をイメージするのです。

でもって、最終的にそのストーリー形式のセールス文章を読んで、

なるほど!
だからあなたから商品を買ったほうがいいわけね。

となるわけです。

ここまでの話を踏まえてもう一度、「世界特許マスカラ開発秘話」のストーリーを読み返してみてください。どうでしょう?

1.エピソード
2.見込客に提供できる価値

カンペキですよね。

さてさて、そんなわけで、
最後にメルマガの記事に戻りますが、Tさんからのメールを拝見すると、
(↓)こうありましたので、
-------------------------------------------------------------------------
両親に見せたところ、
「これってお客様に送って大丈夫なの?なんか、迷ってるような事しか伝わってこない。」
-------------------------------------------------------------------------

もしかすると、「見込客に提供できる価値」の部分が弱かったのかもしれませんね。
その辺りを再チェックしてみてはいかがでしょう?

*****

以上、「ドカン!」と売れるストーリーについてお話してきましたが、いかがだったでしょうか?
あなたの参考になればうれしく思います。

このレポートを読んだご感想・ご意見をぜひお聞かせください!
感想はコチラでお待ちしております。
ぜひぜひよろしくお願いします。


株式会社おまかせホットライン
田中正博